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労働基準関係法令違反の公表事案から学ぶ 中小企業が今すぐ取り組むべき注意点と対策

deviseanew
10月2日
読了時間: 5分

更新日:10月5日

淡いピンク背景のイラスト。赤い屋根の建物や掲示板の横で、スーツの男性が警告マークや書類、時計、盾のアイコンを指し示し、女性が寄り添う。

労働基準関係法令違反の公表事案から学ぶ 中小企業が今すぐ取り組むべき注意点と対策


目次



「まさかうちが…」では済まされない時代へ

「うちは小さい会社だから大丈夫」「今まで何も言われなかったから問題ない」——そう思っていませんか?

厚生労働省は毎年、労働基準関係法令に違反した企業名・所在地・違反内容を全国に公表しています。令和7年9月〜令和8年8月のわずか1年間だけで、全国数百件の事業場が送検・公表されました。その中には、従業員数名の小規模事業者も数多く含まれています。

一度公表されると、企業名はインターネット上に残り続けます。採用活動への影響、取引先からの信頼低下、金融機関の審査への影響など、経営全般に深刻なダメージを与えかねません。

本記事では、労働基準関係法令違反の公表事案から違反の類型と、今日からできる具体的な対策をわかりやすく解説します。ぜひ自社の管理体制を見直すきっかけにしてください。

出典

労働基準関係法令違反に係る公表事案 (令和7年9月1日~令和8年8月31日公表分)https://www.mhlw.go.jp/content/001725374.pdf

1.公表事案に多い違反類型と対策

1.墜落・転落防止措置の不備

  • 典型的な案件:高さ2m以上の屋根・足場・開口部付近で、囲いや安全帯(フルハーネス)を使用させずに作業させたものが最多です。

  • 建設・塗装・造園・解体など幅広い業種で見られます。

  • 高さ約5mの足場で、作業床の設置等の墜落防止措置を講じることなく労働者に作業を行わせたもの

  • 対策:作業前の危険箇所確認、フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育の実施、作業計画の文書化が必要です。


2.車両系建設機械・フォークリフトの不適切使用

  • 典型的な案件:作業計画を定めずに作業させた、危険区域に労働者を立ち入らせた、無資格者に運転させたケースが多く見られます。フォークリフトを用いて作業を行う際、あらかじめ作業計画を定めていなかったもの

  • 対策:作業計画の事前策定と周知、資格・免許の確認管理、立入禁止区域の明示を徹底しましょう。


3.違法な時間外労働(36協定違反)

  • 典型的な案件:36協定の延長時間を超えた時間外労働や、月100時間超の過重労働を複数名に行わせたものが多く、運輸・小売・製造など幅広い業種で発生しています。労働者10名に、月100時間以上の違法な時間外労働を行わせたもの

  • 対策:勤怠管理システムの導入、36協定の上限時間の社内周知、管理職への定期研修が有効です。


4.賃金不払い・最低賃金法違反

  • 典型的な案件:数か月〜最大10か月にわたり定期賃金を支払わなかったもので、複数名・数百万円規模の未払いも珍しくありません。労働者3名に、最大10か月間の定期賃金合計約526万円を支払わなかったもの

  • 対策:資金繰り悪化時の早期相談、給与支払日の厳守体制の整備、最低賃金の定期確認(毎年10月改定)が重要です。


2.見落としがちな違反:労働災害の隠蔽・虚偽報告

  • 典型的な案件:4日以上の休業を要する労働災害が発生したのに、報告書を提出しなかった、または虚偽の内容を記載して提出したものが複数件確認されています。4日以上の休業を要する労働災害について、虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告書を提出したもの

  • 「労災隠し」は送検対象となり、企業名が公表される重大違反です。「ばれなければいい」という考えは通用しません。

  • 対策:労災発生時の報告フローを事前に整備し、全管理職に周知しておきましょう。


3.今日からできる!違反ゼロに向けた対策まとめ

公表事案の多くは、日頃の管理体制を整えることで防げるものです。「安全配慮」「法令遵守」「賃金管理」の3つの柱を意識して取り組みましょう。


1.安全配慮

  • 安全衛生規程の見直し:高所作業・機械作業のルールを文書化・定期更新しましょう。特に「作業計画の策定」と「危険区域への立入禁止」は明文化が必須です。

  • 特別教育・資格管理:フルハーネス型墜落制止用器具やフォークリフト等は、法定の特別教育・資格が必要です。誰がどの資格を持っているか、台帳で一元管理しましょう。

  • 労災報告体制の整備:休業4日以上の労働災害は、遅滞なく労働者死傷病報告書を提出する義務があります。報告フローを事前に整備し、「労災隠し」が起きない仕組みをつくりましょう。


2.法令遵守(時間外労働)

  • 36協定の適正管理:36協定で定めた上限時間を超えた時間外労働は、それ自体が刑事罰の対象となります。毎月、全従業員の時間外労働時間を集計・確認する仕組みを整えましょう。

  • 勤怠管理の見直し:タイムカードや勤怠システムで客観的な労働時間を把握することが重要です。管理職も含めて適切に記録・管理されているか、定期的に点検しましょう。


3.賃金管理

  • 給与支払日の厳守:賃金は毎月1回以上、一定の期日に支払うことが法律で義務付けられています。資金繰りが厳しい場合でも、支払いを遅らせることは違法です。早めに専門家や金融機関に相談しましょう。

  • 最低賃金の定期確認:最低賃金は毎年10月に改定されます。パート・アルバイトを含む全従業員の時給が、改定後の最低賃金を下回っていないか必ず確認しましょう。

キーワード 労働基準法 安全配慮 賃金管理

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