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労働条件分科会ー管理監督者ー

  • deviseanew
  • 5月15日
  • 読了時間: 4分

 令和7年11月18日付の労働条件分科会(第205回)について、見ていきたいと思います。

※資料は第197回です。

※以下分科会と記載します。

出典:厚生労働省

(補足:毎月勤労統計)

 管理監督者 


 「管理監督者」については「労働基準法で定められた労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用」が除外されています。管理監督者は労働時間の適用がないため、法定労働時間を超えて働いても、いわゆる残業代が出ません。

 どういう従業員が管理監督者なのか。管理監督者の定義について分科会資料では「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」と定義されています。

 この定義自体は労働基準法の「使用者」の定義であり、管理監督者の定義ではありませんが、管理監督者もこれに含んでいると示唆しています。

 というのも使用者の定義は従業員間における相対的なものであり、ある従業員から見ると上司、上長である管理監督者も使用者にあたることがある。と理由でこのような定義がされているのだと思います。


 管理監督者が労働時間、休憩及び休日が除外される「理由」について、通達が出ています。

 「労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限つて管理監督者という(一部略)」

「職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要があること」

「実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではないこと」

 (昭和22年9月13日基発17号・昭和63年3月14日基発150号)


 権限や待遇が十分でない従業員を管理監督者として任命した結果、実際には自身は管理監督者ではない。という理由で未払い残業代を請求する管理監督者性を争った裁判例は多いといえます。

 分科会の資料では管理職の月間の残業時間は19.5時間(令和2年9月)という統計データも出ています。この数字を多いとみるか、少ないとみるかは疑義があるところですが、あくまで平均であることや、業種(特に飲食・サービス業)によってもバラバラだとは思います。

 とはいえ、月に約20時間の残業を未払いとして請求できる過去3年間遡って計算した場合、20時間×36か月=720時間。

 管理監督者の1時間当たりの割増賃金を仮に2,500円とした場合、720時間×2,500円=1,875,000円ですので、金額としてインパクトがあると思います。


 このような管理監督者以外にも労働時間等が除外される、ないしは「みなされる」制度として、裁量労働制(専門業務型、企画業務型)や研究開発業務、そして高度プロフェッショナル制度があります。


 分科会では、健康・福祉確保措置等についても言及され、研究開発業務と高度プロフェッショナル制度は、労働時間(健康管理時間)により、一定の場合は自動的に医師の面接指導が義務付けられているのに対して、裁量労働制、管理監督者については申出であったり、その基準である労働時間についても裁量労働制、管理監督者でない従業員と同手順であることを挙げています。

 裁量労働制は専門業務型、企画業務型ともに対象業務が法定されており、労使協定を締結し労働基準監督署に届け出をしたうえで、対象者個別の同意が必要であることから、原則的に一方的に任命される管理監督者と選任過程が異なりますので、管理監督者について、定義、選任手順、法的な制度(健康・福祉確保措置等)が整備されていくことが想定されます。

 

 まとめ 

 管理監督者がいない会社は少ないと思いますので、今後は管理監督者について定義を明確化していくことで、いわゆる「名ばかり管理者」を抑制していく方向ではありますが、会社によって画一的に定義をするのは難しいですが、今後通達の趣旨を汲み取って法改正が起こる可能性はあり得ます。

 今回の分科会でも訴訟例の記載はありますが、法的な制度として健康・福祉確保措置等の拡充に留まっていますが、健康・福祉確保措置等の実施される要件が労働時間であるため、労働時間の適用が除外されている管理監督者においても労働時間の状況を把握することが義務化されていますので、今後は今以上に適正な勤怠管理(従業員の自己申告ではなく、機械や他者によって自動的・客観的に証明された労働時間(出退勤、入退館、PCログ)を記録すること)が求められると考えます。

 

キーワード 労働基準法 管理監督者

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